配線用遮断器とは、工場に設置されている制御盤の負荷回路や制御回路を短絡や過負荷から保護するために用いられます。現場の人はMCCBやNFB、ブレーカーと呼んだりします。
その他には、水中ポンプなどを用いる場合は漏電遮断器を設置する時もあります。
配線用遮断器を設置する目的は、下記の3点です。
どれも安全の為に設置しております。
① 配線の過負荷時による配線の保護
② 配線の短絡時による配線の保護
③ ON/OFFによる電気回路の遮断
配線用遮断器の目的は、大きな電流が流れた時に、配線が劣化したり
燃えない為に自動的に電流を遮断するためです。
配線用遮断器(ブレーカー)とは
配線の保護について
過負荷の場合
モーターなどが過負荷になった時に、定格電流以上の電流が流れます。
その状態を自動的にブレーカーが検知してOFFにします。
例えば、アンペアトリップが30Aの場合は、30A以上の電流が流れた場合、
ブレーカーがOFFになります。
短絡の場合
例えばR相とS相の配線同士がつながった時、短絡電流と言う1000A以上の電流が瞬時に流れます。そのような状況でもブレーカーが瞬時に働き配線を守らなくてはいけません。
配線を保護する時の動き
※もしインバーターやサーボアンプの1次側にブレーカーを設置する時は、
高調波の影響を受けます。完全電磁式のブレーカだと高調波により
誤作動が発生する可能性があります。その為、熱動電磁式のブレーカーを
選定する事をオススメします。
過負荷と短絡の動作時間について
過負荷の時と短絡の時では動作時間が異なります。
ちなみにメーカーはJIS規格を基準に動作時間を
決定しております。
過負荷の動作時間
定格電流の125%が1時間流れた時には動作するように作られています。
※ちなみに定格電流の105%までは動作しないようになっております。
注意点があります。
定格電流の125%になった瞬間にブレーカーが動作すると言う話ではありません。定格電流の105%~125%までの間で動作するが正解です。
ブレーカーは構造上、正確に動作しません。
105%~125%の間で、動作するように作られています。
表1 過負荷時の動作時間の一例
ブレーカーの定格電流 | 105~125%電流時の動作時間 |
30A以下 | 1時間以内 |
31~50A | 1時間以内 |
51~100A | 2時間以内 |
短絡の動作時間(瞬時要素)
短絡電流が流れた時は、瞬時にブレーカーが動作します。
瞬時って何秒なの?って思いますが、
ブレーカーの型式によっても動作時間は異なります。
詳しくは、ブレーカーの特性曲線の瞬時動作のエリアを参照下さい。
一般的には、定格の1200%が0.01s~0.2s流れた時に動作します。
参考文献・サイト
① 三菱電機株式会社
三菱ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器 技術資料集
https://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/document/catalog/lvcb/yn-c-0657/y0657g1903.pdf
② 三菱電機株式会社
三菱ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器 WS-Vシリーズ<総合カタログ> 19B版
https://dl.mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/document/catalog/lvcb/yn-c-0701/y0701s2003.pdf