計装

レーダーレベル計とは レベル計の原理と設置時の注意点(温度と位置)

レーダーレベル計のアイキャッチ

レーダーレベル計の原理についてご説明します。

まず、レーダーは何?って考えるかと思いますが
レーダーとは、短波(マイクロ波とか)を放射して、その後対象物からの反射をレベル計が検出して、距離などを測定する装置です。
※レーザーとは違いますよ!

レーダーレベル計とは

レベル計を販売している主なメーカーは横河やエンドレスハウザーなどになります。
どのメーカーも構造は同じとなっており、フランジ型が一般的です。

このレーダーレベル計は下記の図のように二つのエリア
ハウジング部分とセンサー部分に分けることができます。
保全の方は、このセンサー部分に汚れが付着して、レベルの誤作動が発生し
現場から呼ばれる事が多いかと思います。

 

レーダーレベル計設置方法の一例

レーダーレベル計は、タンクなどの上部に設置されているフランジに取り付けます。

 

そして、タンクの上部からマイクロを照射し、内部の水位を測定します。
原理は簡単です、レベル計から照射されたマイクロ波が、液面で跳ね返ります。
その照射から跳ね返ってきた時間で、距離を算出します。

 

レーダーレベル計の上限と下限のイメージ

レーダーレベル計の上限と下限は、水面が高い方が100%になります。
また、レーダーレベル計の直近は測定ができない領域が存在します。
(大体0.1m~0.5mぐらい)

設置時は、レーダーレベル計に”ここが0%だよ”ここが100%だよと教え込みます。
※タンクに液を流して100%や0%に変化できなくても、タンクの寸法さえ分かっていれば
100%などの1点だけ教えるだけです。
あとはレベル計が演算を行い0%の位置を理解します。

 

レーダーレベル計設置時の注意点 その1

レーダーレベル計は設置時に注意ごとがあります。
それは、タンク内に撹拌羽があったり、レベル計が壁と近いと正しく測定できない場合があります。この場合は、測定波形にノイズとして現れます。そのため、運用前に、レベル計に”このノイズは除去して”と教えることで、正しい測定が可能になります。

但し、レベル計によって”壁から何センチ離してください”や”撹拌羽は回転させてからノイズ除去を行ってください”などと注意書きがあるので、その通りに従ってください。

 

レーダーレベル計設置時の注意点 その2

レーダーレベル計を設置する場所が高温になるときは注意が必要です。
タンクが高温だと、

①レーダーレベル計の周囲温度が規定値よりも高くなり故障故障する。
(周囲温度は60℃以下に下げましょう)
②フランジ面から熱が伝わりレーダーレベル計が故障する。
などが発生します。

その為、
①タンク上面に断熱材を設置する(フランジのつなぎ目が隠れるまで)
②配管を延長を行いレーダーレベル計の機器温度が上昇しないように努めましょう

もしも、高温になるか不安が残るようでしたら、レーダーレベル計を設置する前に、設置に使用するフランジの温度を測定しておくと良いと思います。

まとめ

① レーダーレベル計は照射から反射波をキャッチする時間で距離を測定している
② タンク内の環境によっては正しく測定できない場合がある。

 

参考文献

①横河電機株式会社 『レーダーレベル計』
https://web-material3.yokogawa.com/IM01H04B04-00.pdf?_ga=2.268175822.1767047351.1605415257-1541225879.1605187565

②国立研究開発法人科学技術振興機構
荷油槽監視用レーダー式液面計- 計器の特質と適正な使用方法
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime/52/3/52_333/_pdf/-char/ja