皆さんの工場にはインバーターはありますでしょうか?
このインバーターと言うのは、周波数を変えてモーターの回転速度を変化させる物です。
ちなみに日本の周波数は、静岡県の富士川を境に西日本は60Hz、東日本は50Hzとなってます。
インバーターがいる時
インバーターのメリットは、モーターの回転速度を変化できる事です。
では、何故、回転速度を変化させるとメリットなのかと言うと、省エネに繋がります。
例えば送風機やコンプレッサーの場合、50/60Hzで動かしていても、
”生産状況に応じて回転数を変化させたい”って言う時があります。
そんな時に、インバーターが必要になってきます。
インバーターのある時、無い時の回路の概要
インバーターは下記の場所に取り付けます。
分かりやすく、無い時とある時を記載しております。
インバーター無い時
インバーターある時
インバーターの仕組みの説明
変換方法は交流→直流→交流に変換します。
1次側から送られてくる交流をコンバータ回路で直流に変換します。
その直流をインバーター回路で交流に戻します。この直流から交流に再変換する時に、周波数を変化させてます。
この時、周波数を変化させると比例して電圧も変化します。次式のように周波数を変化させて電圧を一定にしておくと電流が増大しモーターが焼損します。その為、電圧についても変化させる必要があります。
このようなインバーターをVVVFインバーターと言います。
インバーターと保全について
インバーターには寿命があります。
この寿命を理解し、故障する前に交換する事が求められます。
下記にインバーター内部部品と寿命を記載します。
項目 | 寿命(目安) | 交換方法 |
冷却ファン | 約87,000h (24時間運転で約10年) |
新品と交換 |
電解コンデンサ | 約87,000h (24時間運転で約10年) |
新品と交換 |
内部接点 | 約1,000,000回 | 新品と交換 |
部品の寿命が来たときは、インバーター本体ごと交換するのが一般的です。
※冷却ファンは11kwぐらいからは、冷却ファンだけ交換が可能となっております。
冷却ファンや電解コンデンサーは、周囲温度や設置環境によって寿命が異なります。
温度の高い制御盤に設置した時は、寿命は短くなります。
※コンデンサーはアレニウスの式から理論寿命を算出できます。
保全で大事なのは、論理的な寿命を理解したうえで、毎年の点検(目視・異音)を行い
異常が発生した時に、交換が必要が判断する事が大事です。
そして、一番大事なのは、交換した部品のメーカー調査を行い、劣化具合を確認する事が大事です。例えば、調査結果によりコンデンサーの劣化が進んでいる場合は、
設置環境を変えるなど
”寿命を延ばす改良”を行うことが大事です。
参考文献・サイト