こんにちは、自己保持回路って聞いた事ありますでしょうか?
工場のモーターを動かすために操作スイッチを押すと、モーターが動き続けますよね?
実は、あの動きは自己保持回路によって作られています。
この自己保持を作るのに必要な物がマグネットと呼ばれる機器です。
それでは、マグネットを中心に、どのように回路を作っているか説明していきます。
自己保持回路の回路について
自己保持回路とは、操作スイッチを押してONし、
その後スイッチを離してOFFにしても、
マグネットの自己の接点がONし続ける回路の事です。
下記イラストの赤線が電気の通り道と思って確認してください。
このように操作スイッチを1回押すだけで、自己保持が働いて
ずっとスイッチを押し続ける状態を作成できます。
マグネットとモーターとブレーカーの配線について
それでは、実際のマグネットは、モーターとブレーカーと、どのように接続しているか確認していきましょう。
左が実際の結線イラストです。右が電気回路図となっております。
マグネットは、ブレーカーの2次側に設置されます。
マグネットがONする仕組み(モーター側に電気を送る仕組み)
自己保持は、マグネットをずっとONし続ける回路を作れば良いと考えてください。
それでは、どのような流れでマグネットをONし続けるかと言いますと
マグネットのコイルと呼ばれる部分に100Vもしくは200Vを加えれば良いのです。
つまり、このコイルに電圧(100Vもしくは200V)を加え続ければ
自己保持が可能となります。
自己保持回路の電気回路図
自己保持になる電気回路図は、下記のイラストの通りです。
自己保持させるために、操作回路を作る必要があります。
構成部品は、OFF用スイッチ(PB1)、ON用スイッチ(PB2)、マグネットのa接点、サーマルのb接点となっております。
※マグネットやサーマルの接点については、別の機会で説明します。
自己保持の流れ
回路図のPB2を押すとマグネットコイルに電圧が加わります。
その後、マグネットがONすることで、マグネットのa接点がONします。
すると、PB2を離してOFFにしても、マグネットのコイルに電圧が加わり続けます。
マグネットコイルに電圧が加わっているため、マグネットの接点もONし続けます。
まさにマグネットの自己の接点によってONし続けています。
自己保持回路の配線図について
自己保持回路の実際の配線図について説明していきます。
少し見づらいかもしれませんが、ご了承下さい。
左のイラストが回路図になります。右のイラストが実際の配線図になります。
三相から操作回路用の電源を取り、OFFスイッチを通ります。
その後、ONスイッチとマグネットのa接点の並列になり、最後はサーマルを通り
マグネットのコイルにたどり着きます。
このような流れで、自己保持回路は形成されます。
この回路が基本の回路となり、どこの工場でも採用されています。
もし、モーターが動かないなどのトラブルに遭遇した場合は、
この自己保持回路を元に調査を行ってください。
何故ONスイッチを押してもマグネットはONしないのか?
→操作回路の断線?サーマルの故障?スイッチの故障?
などなど色々と調査するべき個所が分かってきます。
まとめ
① 自己保持回路はマグネットを用いている
② 自己保持回路は、操作回路内にて作られている
参考文献
①2018 基礎からわかる電気技術者の知識と資格.
https://e-sysnet.com/jikohoji/